
蓄える
わが国のエネルギー供給構成は石油が約39%(2017年度)と非常に高く、その99.7%を海外からの輸入に頼っています。
国家石油備蓄は、産出国からの輸入が途絶する等の事態が生じた場合においても、石油の安定供給を確保し、国民生活及び国民経済に著しい混乱が生じるのを回避することを目的としています。
むつ小川原国家石油備蓄基地には51基の貯蔵タンク(総容量約570万kl)があります。


石油備蓄タンクの構造

貯蔵タンク(内径81.5m、高さ24m、容量約11.1万kl)
原油タンクの特徴
原油タンクは、原油の劣化や成分の蒸発の少ない浮屋根式としています。冬季の積雪に備えて、浮屋根は二重構造(ダブルデッキ)とし屋根上に蒸気配管、側壁上に散水管を融雪装置として備えています。
また、タンクには、万一の火災に計器室から遠隔操作で消火活動を行えるよう泡消火装置を取り付けています。
更にタンクは、総延長14kmに及ぶ構内道路兼用の防油堤や、仕切堤、外周防止堤で囲むなどの防災対策を施しています。

各名称
1.【散水管】融雪用水を散水する。
2.【泡消火装置】火災時、消火用の泡を放出する。
3.【測定小屋】原油の液位や温度を測定する小屋。
4.【廻り階段】
5.【ウインドガーダー】風圧による側板変形を防止する補強環。
6.【底板】
7.【浮屋根配水管】浮屋根上の雨水をタンク外に排水。
8.【浮屋根シール】浮屋根と側板との隙間を埋め、原油成分の蒸発を防ぐ。
9.【マンホール】
10.【融雪用蒸気管】融雪用の蒸気を通気する。
11.【回転内梯子】
貯蔵タンク | 中継タンク | |
タンク設備 | 鋼製ダブルデッキ浮屋根式タンク | |
11.1万kl×51基 | 3.7万kl×4基 | |
内径81.5メートル 高さ24メートル | 内径47.5メートル 高さ24メートル |
備える
石油輸入の途絶などの緊急時に備蓄石油の放出を迅速に行うことは、安全の確保とともに私たちのもっとも大切な使命です。
私たちは緊急放出技術の維持向上と次世代への継承のため、定期的な緊急放出訓練に取り組み「安全、確実な石油の備蓄と迅速な緊急放出体制の堅持」に万全を期しています。

一点係留ブイと室蘭丸(むつ小川原港沖)

マリンホース曳航

マリンホース取付作業